Ino.100 ランゲルハンス島
みんな健康には気を付けなあかんよ
STATS
7人 / 人数
カジュアル / 難易度
ミディアム / 広さ
OVERVIEW
チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「此方こそ。 まぁ私は救助がくるまでここに残ります
折角役に立つ物が揃ってますし」
船らしき音も聞こえたのだ。
「なので皆さんも もし船旅で何かあったなら
いつでも戻ってこられるとよいかと」
「幸せだった、と思えないまま終わるのは いやなので」
「私は幸せだったんだぞって笑ってやれるように抗っていくつもりです」
「・・・ 帰りますよ 元の場所に」
「別に元の暮らしが幸せだったわけでもないし 会いたい人がいるわけでもないですし 正直ここで死ぬならそれはそれでと思ってましたけど」
ぐらりと傾いだ。たたらを踏んだ足が、音を立てて土をにじる。
引き攣る喉を抑えて、やっと声を絞り出す。
「……わたしは、ここがいい。
かえりたく、ないです。ずっとここが、いい。
……7日。7日ごとに、船がくるなら。つぎまで、待ちます。
ほんをかきながら、それまでひとりで、かんがえるから、みなさんは」
「君の道だ。君が行き先を決めるべきだ。
しかしながら、歩きながらでもそれはできるのだ。
僅かながらにも迷いがあるのであれば、答えを急くこともあるまい。
例えば……そうだな。
牧田、君はどうするのだ?
この島から脱出した後は」
「そんな……頑張っても、ダメなんて」
知り合った人には笑っていて欲しい、そんな子供っぽい願い。
けれどそんな事が通るような空気でないことは、彼女にも分かる。
「明日が今より必ず良くなるものであると、確約ができれば良いのであるが。
生憎と我々は預言者でもなければ、千里眼を持ち合わせているわけでもない。
君の未来に光明が差すはずだなどと、軽々しく口に出せるものではないのだ。
無責任に気休めを説いたところで、水たまりで舌を潤すが如き一時凌ぎ。
根の深いところで、君を救える術を我々は持ち合わせてはおらぬ。
牧田は、そういう話をしているのであろう」
「ここでの暮らしに比べれば 刺激もなく 不便で 窮屈で 退屈な そして頑張っても実りのない そんな日々が待ってるかもしれないですね」
「・・・そうでしょうね
私にとってはここでの生活は不便を感じれるほど、元の世界は便利で発展していますけど
あなたの世界も何れそうなるかもしれない
ただし、それはきっと貴方が生きている間に叶うものではない」
「妹の嫁入りが決まって。弟も漁に出るようになって、その矢先に。
ここで触れてしまった、豊かさを。手放して。
村に尽くしに戻ることが、惜しくなったのです……」
「……根付かなかったら。なにも、かわらなかったら、どうしようって、
――ああ」
それは、もとの生活が続く、それだけのこと。
在るべきと定めていた自分に、蓋をしていた自分がいま、追いついた。
「いいえ」
「ちがいます、わたしは」
「ここで、豊かさというものを知って」
「村に持ち帰ることが何よりも村のためと、皆さんに力を仰ぎながら」
「……帰れない口実をずっと、探していたのです」
サヨの土地は海沿いで緑が少なく、日々がカツカツなこと。
自分の村を豊かにするために知識や植物を集めていることなどを、必要に応じて補足した。
「……牧田さん。わたし、こわく、なって」
置き去りにして歩いてきた、この6日間の疑問をいま得て。足が竦む。
「200人。村の、200人の、いのちを。わたし、わたしが」
武器は空き瓶いっぱいの芽吹くかもわからない種と、かき集めた知識。
細い両肩が軋む。家族3人で精一杯だった娘には、途方もなく重かった。
「……お宮はなかったけれど、ここだった」
「ただ招くのではなく、食らう海なのならば」
「母も、それまでの誰も、きっと海に、呑まれたのでしょう」
「わたしだけが、あなたたちがいたから、ここにまだ、立って。海から奪って、出ようとしている」
「"――その海は"」
震える手が喉に上がる。嗚咽のように途切れ途切れに吐き出されたのは。
"――その海は数多の術者が挑み、そして敗れた海――"
煌めきの中に垣間見た、この島が島たる所以だった。